Ancient Wisdom

Feb 11, 2015

ANCIENT WISDOM

人類の深遠なる古代の叡智に学ぶ
宇宙の贈り物『生命の樹

sash99d

wdmcap_11

生命の樹』は、生命を象徴する樹として、神話や宗教的シンボルとして世界各地で顕わされ、その存在を確かなものとしてきました。アダムとイヴのエデンの園・聖ヨハネの黙示録・インドの聖典ヴェーダ&ウパニッシャド・メソポタミアの生命の樹・ユダヤ神秘思想カバラの生命の樹「セフィロト」・北欧神話の宇宙樹「ユグドラシル」・仏教の須弥山&塔(ストゥーパ)・釈迦の悟りの樹「菩提樹・沙羅双樹」・エジプト神話・エジプト文明のピラミッド・マヤ文化の宇宙樹「セイバ」・マヤ文明のピラミッド・インディアンの逸話・ペルシャの神秘の樹・イスラム教の天上の樹・ジャワの願いの樹・ジャックと豆の木など、様々な樹々の姿に変容しながら、久遠の時を越えて現代にまで光り輝き続けています。つまり、それらは私達の内に息づく生命の象徴(シンボル)であり、生命の力・聖なる力・大いなる力・愛の力・覚醒させる力・意識の階梯・生命の賛歌・人と神との融合などを示し、私達一人ひとりの内なる生命の目覚めと魂の進化をもたらし、やがては大いなる存在・無限なる存在へと向わせる深遠なる叡智といえます。『生命の樹』は、日常意識とは異なる変性意識状態や夢などの中にもしばしば顕われ、この世の不可思議さや隠された叡智を、生命の神秘や循環する法則などを直観や霊感を通じて見い出せるよう私達に密かに試みているのです。私達は『生命の樹』を通じて、大宇宙の根源的なもの、深遠にして本質的なものを発見し、その崇高なる教えであり深遠なる叡智を把握したいと願っています。

sash99d
STORY1
エデンの園
「生命の木」と「知恵の木」

創世記に於いて、エデンの園には、永遠の生命が与えられる「生命の木」と善悪を知る「知恵の木」が存在していました。神はアダムとイヴに「知恵の木」の果実を食べる事を禁じましたが、ある時、蛇がイヴを誘惑し果実を食べてしまい、アダムもイヴに薦められ食べてしまいました。神の命令に逆らい果実を食べた罰として二人は永遠の生命を失い、神との繋がりも失い、自然との完全なる調和までも失ってしまいました。神との約束を破った彼らが「生命の木」の果実を食べることを恐れた神は、二人をエデンの園から追放し、これからは苦しみを背負いながら、額に汗して働くようにと呪いをかけられてしまいます。キリスト教では、アダムとイヴが犯した罪を“原罪”として人間の本性を損ねた行為であり、神の救いなしでは克服できず救われないとされてますが、ユダヤ教には“原罪”というものは存在しません。秘教的なキリスト教やユダヤ神秘主義でもそれぞれ捉え方が違っています。こうして楽園から追放され堕落した以降は「知恵の木」の甘くて苦い果実を味わい続けるのですが、アダムとイヴを楽園から追放し、無垢で純粋な夢から目覚めさせ、罪と苦悩に満ちた人間の世界を歩かせたのは、実は神の化身である子キリスト自身であるともいわれています。アダムとイヴを目覚めさせ導いたものは、「生命の木」の中心に描かれる蛇の力であり、その蛇の力は善悪を知る知恵を授け、自らの意志で行動する生命の力を与えました。神の命令に従う人間ではなく、自らの責任において自由意志を持って行動する人間として生きることになりました。この神話は、本来の自己を実現するため、夢見る汚れなき状態に別れを告げ、不安と怖れに立ち向かいながら、完全なるものへと導かれていく“魂の旅”のプロセスを顕わしています。

wdmcap_12b
エデンの園 アドムとイヴ

創世記に出てくる「知恵の木」とはイチジクの樹であり、アダムとイヴは禁断の果実を食べた後、善悪の知識を得て、またお互いの違いを見て恥ずかしい(恥の概念の始まり)と思うようになり、イチジクの葉で作った前掛けで下半身を隠したと記されています。イスラム教に於いてはエデンの園には二種類の禁断の樹木があり、オリーブの樹とイチジクの樹とされ、様々な性質の二重性を表すものとされてきました。また、釈迦族の王子である仏陀が悟りを啓いた樹木はベンガル菩提樹といわれ、イチジク属の樹木です。仏陀は好んでこの樹木の下で弟子たちの教えを説いたとされています。現存する樹齢2,300年を迎えるスリランカの“スリマハ菩提樹”は、仏陀が悟りを得た菩提樹の挿し木からなるといわれ、現在でも人々の信仰の象徴となっています。

sash99d
STORY2
古代エジプト
無花果(いちじく)の樹

古代エジプトでは、「生命の樹」をいちじくに例えることが多く、いちじくは“無花果”と漢字で表わすように、花を咲かせないのに実がなるというところから、無から何かを生み出していく生産力・生命力の力強さの象徴し、白い乳液は精神を変容させる効用があるとされました。この“無花果いちじく”が持つミルクの様な白い乳状の樹液からは、ある時は聖なる母のイメージと結びつき、豊穣の女神ハトホルと結びつけられ、また、ある時は男性の精液のイメージと結びつき、不妊の女性を癒し、受胎させる働きがある精力の象徴として重宝し崇められてきました。また、天国にある“無花果いちじく”が死を迎えたオシリスの魂を若返らせ甦り(再生)へと導きます。つまり、生命・誕生・死・再生による“生命の営み”を象徴する樹木として、エジプトの神々と結びつけ崇めてきました。“無花果いちじく”の樹液は、死者に永遠の生命をもたらす霊薬としてエジプトだけでなく、インドの聖典ウパニッシャドにも、“この豊潤なる樹木から抽出される樹液こそは、不老不死の霊薬であり、至福を得るための妙薬とされ、神々からいのちの水「アムリタ」「ソーマ」として重宝がられてきた”とあります。

リーナ・エダ ANCIENT WISDOM 人類の深遠なる叡智 古代の叡智に触れる

古代エジプト
無花果の樹「シカモアの木」
豊穣なる女神

古代エジプトでは、“無花果いちじく”は愛と美と豊穣の女神ハトホルの好む樹木とされたことから豊穣の儀式とも結びつき、また、二人の愛を育むものとして「無花果いちじくの樹の下は恋人たちの逢引の地…」と古代エジプト語にも歌われています。エジプトで最も古い樹齢の樹木“無花果いちじく”はマタリアにあり、「ヴァージン・メリーの樹」と呼ばれ、“処女マリアの樹”として人々に讃えられています。その他、古代エジプトでは知恵のシンボルであり通過儀礼の意義を持つ樹木として隠者たちは好んで“無花果いちじく”を食べました。古代遺跡の研究からは、人間が植えた最古の樹木は“無花果いちじく”だと、イスラエルのジェリコにある遺跡での栽培の跡から発見されました。これまでは6,500年前に栽培が始まったとされていましたが、この栽培の跡から新たに11,200〜11,400年前であると推定され、大きく記録を塗り替えました。世界の神話は伝説にも登場する“無花果いちじく”は、生命の象徴であり、再生の象徴であり、叡智の象徴とされてきました。

sash99d
STORY3
ユダヤ神秘思想カバラ
生命の樹「セフィロト」

ユダヤの神秘思想であり最高の叡智とされるカバラでは、超越的な神の世界と人間 の世界の構造を、生命の樹「セフィロト」という一本の樹に精密に示しながら、私達が深遠なる神へと至るプロセスを象徴的な要素と通過儀礼(イニシエーション)的な体系として、この世に樹立させてきました。最古のカバラ文献「バヒールの書」によると“あらゆる神の力は一連の取り木で繁殖を重ねる一本の樹木の様なものである”と説かれ、同じくカバラ文献「光輝の書・ゾハール」では“いまや生命の樹は上より下に伸びゆく、それはすべてを照らす太陽のような存在である”そして“すべての自然万物はこの生命の樹を頼りに存在する”と説かれています。カバラの奥義に依ると、神は自らの姿を見ようと欲した時、最初に“セフィラー”という十個の光輝(神の特性)を放射し、宇宙を司る法則を生み出し、この大宇宙を創造されたといわれています。生命の樹「セフィロト」の頂点である“王冠ケテル”は、様々な誘惑に打ち勝った人間として己を完成させたことを意味し、“王冠”は勝利の証しといえます。この頂点に対して出発点となるマルクト“王国”は私達人間が存在する場所であり、自己成長のスタート地点でもあります。そのため時として、生命の樹「セフィロト」は“逆さまの樹”として表わされてきました。

リーナ・エダ ANCIENT WISDOM 人類の深遠なる叡智 古代の叡智に触れる

生命の樹「セフィロト」
逆さまの樹

生命の樹「セフィロト」を通じて、私たちは人生のあらゆる出来事を照らし合わせ、また隠された叡智や宇宙の法則を見出してきました。それら深遠なる叡智は人生を正しく生きる上での判断材料として、また霊的な成長をもたらす秘儀として重宝されてきました。ヨハネの黙示録22章にも天から降りてくるエルサレムの様子が描かれ「彼らは永遠に王になる」と記されています。つまり、人間として完成した者が、新しいエルサレムで王して暮らすことができることを示唆しています。新しいエルサレムには生命の木が記述されていて、人間としての成長と完成の象徴として表わされています。神の諸力とも、神の器とも、神の輝ける衣ともいわれ、深遠なる神の属性を象徴的に顕わしています。

sash99d
STORY4
マヤ文化
緑のセイバ「世界樹」

リーナ・エダ ANCIENT WISDOM 人類の深遠なる叡智 古代の叡智に触れる

マヤの文化では、緑のセイバを神聖なる樹木「世界樹」として捉えてきました。この宇宙は枝の天界、幹の地界、根の地下界に分かれていて、天界に十三の構造に分かれていて、その天界には太陽、月、金星や神々が住み、地界には人間が住み、地下界には九層あり、一番下の界には死の神が住むといわれています。三つの世界は、さらに東西南北の四つの方向に分けられ、その中心に母なる大樹、聖なる大樹、緑のセイバ「世界樹」が生えているとされます。その樹の枝は天界まで伸び、その根は地下界まで伸び、緑のセイバは世界の中心として樹立しています。マヤ人は緑のセイバの樹を見てその年が豊作や不作を予測し、次第に神聖なる力が宿る樹木として祭るようになりました。セイバの樹は再生と豊穣を象徴するもので、天と地を繋ぐ聖なる樹木として崇めてきました。スペイン人がこの地にやって来た時、十字架の形とセイバの樹の形が重なり、彼らはキリスト教を受け入れるきっかけになったとされています。初期マヤ文明の遺跡があるグァテマラの国木でもあります。

リーナ・エダ ANCIENT WISDOM 人類の深遠なる叡智 古代の叡智に触れるグァテマラ「セイバの樹」

sash99d
STORY5
北欧神話
ユグドラシル「世界樹・宇宙樹

北欧神話に登場するユグドラシルは、世界を体現している巨大な樹木「世界樹」であり、この樹木はアースガルズ・ヴァナヘイム・ミズガルズ・ムスペルヘイム・ニヴルヘイム・アルフヘイム・スヴァルトアルヘイム・ニダヴェリール・ヨトゥンへイムなど九つの世界を内包すると信じられていました。最上界のアースガルズに始まり、神族・人間・妖精・巨人などがそれぞれの世界に住み世界全体を創り出しています。その構造とその本質を捉えて「世界樹」または「宇宙樹」と呼ばれてきました。このユグドラシルの名は、神話の主神オーディンの別名である“恐るべき者”から来たとされています。北欧神話の宇宙観は、根強い二元性の要素から成り立っていて、世界に伝わる古代神話との共通点が多く見られます。3人の神々(オーディン・ヴァリ・ヴェー)が2つの木の幹を見つけ、その木を人間に変形させ、オーディンは生命を、ヴァリは精神を、ヴェーは視覚と聴覚と話す能力を与えたとされています。神々は二人をアスクとエムブラと名付け、彼らのために地上の中心に王国を創り、巨大な塀で神々の住む世界からは遠ざけたとされています。アダムとイヴの楽園神話に共通した世界が表現されています。

リーナ・エダ ANCIENT WISDOM 人類の深遠なる叡智 古代の叡智に触れる

ユグドラシル「世界樹」

sash99d
STORY6
アメリカインディアン・スー族

ブラック・エルクの言葉(アメリカ先住民メディスンマン)

『私が聖なる方法によりあらゆるものを霊的に見ていた時である。周りで一番高い山に立ち、足元を見ると世界が輪のようにぐるぐると回りながら、形あるものすべてが結びついてる光景を目にした。そこでは、一人ひとりが創る聖なる輪も多くの輪の一つにすぎず、それらすべては繋がりを保ちながら、さらに大きな円を形成し、太陽や星の光の様に輝きながらあたりを照らしていた。その中心には、一本の大きな花咲く樹木が存在していた。その樹には、ひとりの父とひとりの母によって生み出された、この世のすべての子供達を見守る姿があった。私はそこに聖なるものを見たのである』

『一番重要な最初の平和は、人の魂の中に生まれる。人が宇宙やそのすべての力との間に一体感を見い出せた時、そこに平和が生まれるのだ。宇宙の中心には創造神が住まい、わしらひとりひとりの内部にもその宇宙の中心があると理解した時に。これこそが真実の平和なのだ。二番目の平和は二人の人間の間に生まれる。そして三番目の平和が二つの部族間にあらわれる。しかし、真実の平和を知っておかない限り、部族間の平和などとうてい実現せぬという事を何よりも理解しなくてはならん』

『我々がすることはなんだって、輪を描いていることに気がついただろう。世界の力はいつだって、輪をなして働いている。何もかもが、巡り巡ろうとしているんだ。世界の力がなすことは、みんな輪を描く。ほら、空は円い形をしているだろう。星はどれも円いと間いている。風だっていちばん勢いのあるときは、渦を巻いて吹くんだ。鳥たちも円い巣をつくる。鳥もわれわれと同じく、大いなるものに身をゆだねているからな。太陽だって弧を描きながら、昇っては沈んでいく。月もそうだ。大陽も月も、その姿は円い。季節これも大きな輪をなして移り、もとのところへ戻っていくんだ。人の命も輪を描いている。子供の時代からまた次の子供の時代へと。 輪は世界の力が働くものすべての内にめぐっているんだよ』

リーナ・エダ ANCIENT WISDOM 人類の深遠なる叡智 古代の叡智に触れる生命の循環システム「生命の樹」

sash99d
STORY7
古代インド
脊椎の樹「クンダリーニ」

リーナ・エダ ANCIENT WISDOM 人類の深遠なる叡智 古代の叡智に触れる

インドのヨーガでは、人間の身体にある軸・脊柱を中心軸として捉え、その中心を上昇する生命カであり性エネルギーは蛇の力(クンダリーニ)として描かれてきました。この脊椎の樹の根もとに眠る力を覚醒させることで、私達は超越的な生命の飛躍を成し遂げ、その樹を上昇することで霊魂と肉体は至福の内に統合されると伝えられています。そのプロセスでは、基底部に三回半とぐろを巻く蛇を目覚めさせ、螺旋状に回転しながら上昇し、様々な霊的な中枢(7つのチャクラ)を通過しながら、最後には頭頂部にある千の花弁を持つ蓮の花で顕わされる最高位の中枢(サハスラーラ・チャクラ)を花開かせていきます。ヨーガ・アサナ(各ポーズ)では、背骨を可能な限り柔軟にし活性化することで、背骨と重なるスシュムナー菅にプラーナ(氣)を通し、クンダリーニの覚醒とチャクラの活性化を目指します。小宇宙である人間を大宇宙である神に帰着させようとするもので、人間であるアートマンを活性化することで、それに呼応して神であるブラフマンも活性化し、二つのエネルギーが引き合い統合することで神人合一が成就されるとされています。これこそはヨーガの最終目標であり究極のゴールに他なりません。これらは、ヨーガの伝統的な霊的修行であり、意識の変容と生命のダイナミズムを顕わすものといえるでしょう。インドの絵画などでは、この変容のプロセスを美しい樹木と神々によって表現させ、精神と事象との結合を象徴するラーダとクリッシュナによって数多く描かれてきました。

リーナ・エダ ANCIENT WISDOM 人類の深遠なる叡智 古代の叡智に触れる

クリッシュナとラーダ 生命の樹

 

sash99f

リーナ・エダ ANCIENT WISDOM 人類の深遠なる叡智 古代の叡智に触れるsash99d
『生命の樹』
グスタフ・クリムト

本作に描かれる大地に根を下ろした生命の樹は、太く雄弁な幹が示すよう、その(大地から吸い上げ)溢れ出す生命力を拡散させるかのように渦巻状の枝を四方へと伸ばしている。また幹部分には『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I』や『接吻』でも用いられた円形と三角形による装飾が施されており、この生命の樹の表情をより豊かなものとしている。さらに枝には一匹の隼(又は鷹)が留まっており、画家が装飾のモチーフとして用いたエジプトの美術において、古代から図案化されていた天空と太陽の神ホルスとの関連性も指摘されている(本作に描かれる三角形の目もホルスの目を思わせる)。このように本作は、クリムトが様々な形で表現してきた装飾様式の頂点を示すものであり、拡散する枝から感じられる生命の連鎖的永続性と共に、観る者に強く迫ってくる。サルヴァスタイル美術館から抜粋

(Stoclefries – Der Lebensbaim) 1905-09年
138.8×102cm | テンペラ・紙 | オーストリア工芸美術館

linaeda-lIl

上記の掲載記事に関するお問い合わせは、
下記のリンクボタンからお願いします。

お問い合わせ
宇宙叡智の学校

ユニヴァーサル・サロン

関連記事